アトピー性皮膚炎(AD)病変部の表皮や真皮にレジデントメモリーT細胞(TRM)のサブセットであるCD103を発現するT細胞が多くみられた。TRMはメモリーT細胞の1分画で、いったん組織に移行した後循環することなく皮膚などの非リンパ組織に長くとどまり続ける性質を持つ。そのため、TRMがAD病変の治療抵抗性や再燃に深く関わっていると考えられた。また、TRMが表皮肥厚に関与するIL-22を産生しており、IL-22産生CD103陽性CD8陽性TRMの割合と病変部の表皮肥厚と正の相関がみられ、TRMが表皮の増殖や活性化に関与している可能性を見出した。
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