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2023 年度 実施状況報告書

NAFLD患者における肝発癌抑制を目的とした単球治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K20921
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

安岡 秀高  大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (60909018)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2025-03-31
キーワードNASH / 肝発癌
研究実績の概要

以前まで肝細胞癌の原因の多くは肝炎ウイルスであり、とくにC型肝炎ウイルスが70%程度を占めていたが、直接作用型抗ウイルス剤が保険適応となったのちは、非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)が原因となる肝細胞癌患者が増加している。また、肝細胞癌は一度発症すると非常に再発率が非常に高いため、肝細胞癌発生を抑制する治療法の開発が切望されている。最近、Programmed cell death protein 1 (PDー1)/PDー1 ligands (PDーL)経路を阻害し、宿主の細胞傷害性T細胞(CTL)の抗腫瘍免疫を回復させる治療が肝細胞癌にも適応となったが、申請者は癌を認めないNAFLD患者の末梢血由来単球がCTLの抗腫瘍免疫を抑制するPD-Lを発現している事を発見した。つまり、これらの単球はNAFLD患者における肝細胞癌発生に対する抗腫瘍免疫を抑制している可能性があると考えられる。PD-Lを発現する単球を持つ患者は、NAFLDが進展しNASHから肝硬変に至るも肝障害のない、いわゆる「Burn-out NASH」といわれる状態のstage 4の患者がほとんどである事が判明した。健常人であっても、様々な理由によるDNA損傷が原因となり一定の確率で癌細胞が発生するが、健常人であればそれらの異常な細胞はCTLの持つ抗腫瘍免疫により除去される。しかし、PD-Lを発現した単球を持つこれらのstage 4の患者では、その単球がCTLの抗腫瘍免疫を抑制してしまい、結果的にそれらの患者におけるNASHが原因となる肝細胞癌発生を助長してしまうと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ後、当初想定したよりも研究対象患者が減少しており、登録に難渋しているため。

今後の研究の推進方策

現在当科に受診している肝疾患患者リストを作成し、そこから対象患者を抽出し登録を検討する。

次年度使用額が生じた理由

患者登録が、想定よりも遅れているため。
次年度は患者理解を促すため、理解しやすいような書類作成、説明体制を整えるために研究費を使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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