心筋梗塞に対する急性期再灌流療法により救命率が高まったが、再灌流による心筋細胞障害については未だ克服されていない。再灌流障害にはミトコンドリアが深く関係しており、ミトコンドリアの品質管理機構であるマイトファジーの関与が考えられた。我々はマイトファジー関連分子であるBcl2-L-13を同定しており、本研究では、その虚血再灌流における役割をノックアウトマウスを用いて検討した。ノックアウトマウスは心筋梗塞領域が縮小する傾向であり、Bcl2-L-13の機能の二面性が示されるとともに、今後再灌流障害に対する新たな分子標的治療を行ううえで適切なタイミングでの介入が要求されることを示唆する結果であった。
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