神経核ごとのAVPニューロンの投射先の解析

2022 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21K20930
• 研究種目: 研究活動スタート支援
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 0904:生体情報内科学およびその関連分野
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 川口 頌平 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50907847)
• 研究期間 (年度): 2021-08-30 – 2023-03-31
• キーワード: AVP / 神経回路

研究成果の概要

バソプレシン（AVP）は多様な作用を持つが、その神経核ごとの投射は明らかでない。本研究ではAVPニューロン特異的にCreを発現するAVP-CreマウスにCre依存性に蛍光タンパクを発現するアデノ随伴ウイルスを注入し、それぞれの神経核のAVPニューロンごとに投射先を明らかにすることを目的とした。
AVPニューロン特異的にVenusタンパクを発現するAVP-Venusマウスを用いて、AVPニューロンの存在部位を確認したが、本研究で用いたAVP-CreマウスではAVPニューロンでない細胞にもCreを発現していたために正確な評価が困難だった。今後はより特異的な発現をするマウスを用いた実験を検討している。

自由記述の分野

神経内分泌

研究成果の学術的意義や社会的意義

バソプレシン（AVP）は抗利尿ホルモンとしてだけでなく、概日リズムや社会性、不安、認知、記憶、行動など様々な影響を与えていることが分かっているが、その神経核ごとの投射については明らかにされていない。本研究では神経核特異的にAVPニューロンを標識し、それぞれの神経核に存在するAVPニューロンごとにその投射先を明らかにすることを目的とした。本研究ではAVPニューロンの分布のみで、投射先の確認はできなかったが、神経核ごとのAVPニューロンの投射先が確認できれば、感情・情緒、発達障害や精神疾患の病態への理解、さらには新たな治療法に繋がる可能性もある。