研究課題/領域番号 |
21K20951
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 真 岡山大学, 大学病院, 助教 (20831308)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | uDCD / 温虚血障害 / topical coolin |
研究実績の概要 |
uDCDの新しい肺保護法の開発により肺ドナー使用率の改善を達成し、将来的に日本のドナー不足が解消することを目指す。また肺保護時間帯の分子の発現変化を世界で初めて明らかにすることで、分子メカニズムの点からも肺保護法の理論的根拠を明らかにし、最適な肺保護法の開発をサポートする。本年度は予備実験を行い詳細な実験モデルを構築した。具体的には心停止後(温虚血時間)何時間の障害肺を使用するか検討を行い、2時間が研究の検討を行う上で適切だという結論に至った。予定通り本年度はブタuDCDモデルの樹立を完了した。今後は、従来の肺拡張法、局所冷却法と、新法である冷却拡張法の3群に分け検証を行っていく予定である。片肺はレシピエントブタに移植し、肺移植後の呼吸循環動態(最大気道内圧、肺コンプライアンス、肺血管抵抗、肺動脈圧、酸素化)を記録する。また湿重量比の測定も行い、肺の障害度を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備実験により実験モデルの樹立が完了しており研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
確立した実験モデルを遂行し肺移植後の呼吸循環動態の観察、分子生物学的評価を予定通り行っていく。摘出した肺をEx vivoで評価する。評価項目は最大気道内圧、肺コンプライアンス、肺血管抵抗、肺動脈圧、酸素化、乾湿重量比を想定している。採取した肺組織からRNAやタンパク質を抽出し網羅的発現解析を行う。また得られたデータによるpathway解析を行い、経時的な結果から肺保護時間帯の肺障害において重要な分子候補を同定すると同時に新法の妥当性について検討する。また、ドナー肺障害の評価について、肺組織中の炎症細胞浸潤や、ELISAも用いた各種血中炎症性サイトカイン(TNFa、IL1b、IL6)を解析し、肺保護時間帯の肺障害の病態における生体内分子動態を明らかにし、必要に応じて更なる肺保存法の改良を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費を多く要する評価はサンプル摘出後である。研究費を多く要する評価はサンプル摘出後であるため、次年度へ繰り越すこととなった。現在サンプル採取中であり今後の研究費を大幅に要する予定である。
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