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2021 年度 実施状況報告書

Probioticsによる腫瘍微小環境改変がもたらす膵癌免疫療法の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 21K20957
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

吉村 知紘  和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (70908764)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワード臨床病理学的特徴 / 免疫組織化学染色
研究実績の概要

膵腺癌免疫治療の効果が限定的である要因として、腫瘍微小環境(Tumor microenvironment, TME)における抗腫瘍効果を担う腫瘍特異的細胞傷害性T細胞(cytotoxic T lymphocytes: CTL)の欠如や、免疫抑制性の骨髄細胞を含む豊富な間質の存在が挙げられる。このような免疫抑制状態となっている腫瘍微小環境(Cold TME)において、腫瘍免疫を成立させるには、免疫原性の高いHot TMEに改変する必要がある。この点において、腸内細菌叢とTMEの関連を検討中である。難治癌である膵腺癌においても、腸内フローラがTMEと関連していることが示唆されている。そこで我々は、難治性の膵腺癌においても、Probioticsを用いた腸内フローラの改変によりTMEをHot tumorにすることができ、その結果としてImmune checkpoint inhibitors (ICIs)の治療効果を増強できるという仮説を構築し、検討中である。
膵癌の疫学,病理組織学的特徴とその病理診断手法(切片の作製と診断),浸潤・転移・予後との関連についての研究を開始し、当施設における膵癌患者のデータベースを作成した。2005年4月から2018年12月まで、 当施設で膵腺癌に対して, 手術を施行した414例を対象として、臨床病理学的特徴と予後の関わりを検討した。また、膵癌に関する基礎研究として,膵癌摘出標本の管理と免疫組織化学染色の手法などを中心に行った。今後の推進方策として、膵腺癌患者に対してProbioticsを用いた介入による腸内細菌叢の構成、多様性の変化および膵腺癌TMEの免疫学的解析とともに、膵腺癌マウスモデルにおけるProbiotics併用によるICIs治療の有効性を腸内細菌とTMEとの関連性の視点から明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵癌の疫学,病理組織学的特徴とその病理診断手法(切片の作製と診断),浸潤・転移・予後との関連についての研究を開始し、当施設における膵癌患者のデータベースを作成した。2005年4月から2018年12月まで、 当施設で膵管癌に対して, 手術を施行した414例を対象として、臨床病理学的特徴と予後の関わりを検討した。また、膵癌に関する基礎研究として,膵癌摘出標本の管理と免疫組織化学染色の手法などを中心に行った。

今後の研究の推進方策

膵腺癌術前患者に対してProbioticsによる介入により腸内細菌叢の構成および多様性が変化することを示す。また、腸内細菌叢に特定の構成や多様性の亢進が見られた膵腺癌患者の摘出組織において、Hot TMEが認められることを示す。
方法として、膵癌術前患者にProbioticsを術前投与し、投与前後の便の腸内細菌叢、末梢血、門脈血及び切除標本TMEの免疫学的評価を行う。最終目標は、本研究により難治性膵腺癌においてProbioticsの腸内フローラ改変によるICIsの効果増強に関するPOCを示し、臨床応用可能な腸内細菌叢に着目した新規複合免疫療法を確立することである。

次年度使用額が生じた理由

本年は、膵癌の疫学,病理組織学的特徴とその病理診断手法(切片の作製と診断),浸潤・転移・予後との関連についての研究を開始し、当施設における膵癌患者のデータベースを作成した。また、膵癌に関する基礎研究として,膵癌摘出標本の管理と免疫組織化学染色の手法などを中心に行った。
次年度は、各種物品を購入し、膵腺癌術前患者に対してProbioticsによる介入により腸内細菌叢の構成および多様性が変化することを示す。また、腸内細菌叢に特定の構成や多様性の亢進が見られた膵腺癌患者の摘出組織において、Hot TMEが認められることを示す。

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公開日: 2022-12-28  

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