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2023 年度 実績報告書

Probioticsによる腫瘍微小環境改変がもたらす膵癌免疫療法の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 21K20957
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

吉村 知紘  和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (70908764)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2024-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 膵癌
研究実績の概要

膵癌の5年生存率は10%に満たず、非常に予後不良ながん種の一つであり、その克服は長年の課題である。癌発見時点での切除率は20%程度と低く、高度局所進行・遠隔転移による切除不能例や再発例は薬物療法の適応となる。抗癌剤の進歩により膵癌の予後は次第に改善しているものの、未だ満足の得られる結果とは言えない。膵癌に対する薬物療法の効果が限定的である要因として、腫瘍微小環境(Tumor microenvironment, TME)における抗腫瘍効果を担う腫瘍特異的細胞傷害性T細胞(cytotoxic T lymphocytes: CTL)の欠如や、免疫抑制性の骨髄細胞を含む豊富な間質の存在が挙げられる。このような免疫抑制状態となっている腫瘍微小環境(Cold TME)において、腫瘍免疫を成立させるには、免疫原性の高いHot TMEに改変する必要がある。この点において、腸内細菌叢とTMEの関連に着目した。
本研究では膵癌患者の病態における、腸内細菌叢の果たす役割の解明を目的として、膵癌治療前患者の糞便サンプルを回収し解析(16sRibosomal RNAのsequence, alpha-diversity解析)を行った。
糞便サンプルに関しては現在解析結果待ちである。同時に治療前の末梢血を用いて、CD8+Tcell、Treg、MDSCのFlow cytometry解析など免疫能の評価を行った。腸内細菌叢の解析終了後に、免疫能との関わり、臨床病理学的特徴との突合を行う。
本研究を通じて、将来的には難治性膵腺癌においてProbioticsの腸内細菌叢改変による免疫チェックポイント阻害剤の効果増強に関する根拠を示し、臨床応用可能な腸内細菌叢に着目した新規複合免疫療法を確立することを目標とする。

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公開日: 2024-12-25  

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