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2022 年度 研究成果報告書

術後患者における末梢血中への低比重好中球の誘導機構の解明とその臨床的意義

研究課題

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研究課題/領域番号 21K20958
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
研究機関自治医科大学

研究代表者

熊谷 祐子  自治医科大学, 医学部, 助教 (30625554)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワード低比重好中球 / 大腸癌 / 再発 / フローサイトメトリー / 予後因子
研究成果の概要

根治切除を施行した176例の大腸癌患者の術後の血中低比重好中球(LDN)の割合は術前と比べて顕著に上昇しており、術後出血、手術時間と正の相関を示した。このLDNは未成熟型の抗原を高発現し、多量の細胞外トラップ(NETs)を産生し、多数のがん細胞を接着させた。術後LDN高値群の患者は低値群と比べて再発が多く、無再発生存期間(RFS)が有意に悪かった。以上のことから、手術侵襲は循環血液中に未熟型LDNを誘導し、再発の進行を助長している可能性があることが示唆された。 術後LDNの比率は再発の高リスク群を選択するためのバイオマーカーとして有用性があると考えられた。

自由記述の分野

消化器外科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

腫瘍免疫における好中球の果たす役割については未知な部分が多い。本研究にて、術後早期の手術ストレスによって多数に未熟型 LDNが循環血液中に補充され、標的臓器の血管床でNETsを産生し、循環癌細胞を着床させることを介して再発の進行を助長している可能性があることを新たに指摘することができた。手術後のLDNの比率は治癒手術を受けた大腸癌患者において再発の高リスク群を選択するためのバイオマーカーとして有用性があること、とくに術後補助療法の適応を判断する上で重要な情報になることが証明できたという点で臨床的意義は大きい。

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公開日: 2024-01-30  

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