研究課題/領域番号 |
21K20971
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野田 拓志 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80909961)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 電気生理学的影響 / 細胞生物学的影響 / メカニカルストレス / 網膜ミュラー細胞 |
研究実績の概要 |
臨床的に手術適応となったERM、硝子体黄斑牽引症候群、黄斑偽円孔、分層黄斑円孔などの黄斑疾患について、術前および術後1ヵ月、術後6ヵ月において、Swept-source OCTを用いて最大網膜皺襞深度を測定した。同時期に、黄斑局所ERGを施行し、波形(a波、b波、律動様小波)の解析を行った。また、視力、歪視(M-CHARTS)についても評価する。得られた結果から、網膜牽引力(最大網膜皺襞深度)と黄斑機能(黄斑局所ERG)との関連、および視機能異常(視力、M-CHARTS)との関連を調べる。現在までに多くの症例に対して手術を施行し、術後経過観察を行いデータを収集している。 また培養ミュラー細胞(MIO-M1(ヒト)およびrMC-1(ラット))をストレッチチャンバーで培養し、伸展刺激を与え、一定時間の伸展刺激後に細胞が発現する因子の変動を評価した。腫瘍壊死因子(TNF-α)、形質転換増殖因子(TGF-β)、血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(bFGF)、MAPキナーゼ(ERK、JNK、p38)、アクアポリン、細胞性レチナールアルデヒド結合タンパク(CRALBP)、グリア線維性酸性タンパク(GFAP)などを測定した。また、Real-time PCRおよびウエスタンブロッティングにより、遺伝子およびタンパクの発現を検討する。牽引の時間、強度、種類(静的牽引または周期的牽引)が前述の因子に及ぼす影響を調査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの適応症例に対して手術が施行できた。 またミュラー細胞の培養、伸展刺激の評価も大きな問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も予定通り研究を推進していく。 術後症例の経過観察を続け、検査結果データの蓄積を進める。 また集めたデータを解析、検討し、学会発表および論文投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現時点で収集したデータの解析までは行えず、学会発表を行うことはできなかった。またコロナ禍でオンライン開催の学会が増えたため、最新の知見を得るために現地へ行く必要がなかったため、計画よりも使用した予算が少なくなった。 現在次第にオフライン学会が増えてきており、来年度は学会発表のために予算が必要となる見込みである。また論文投稿のための予算も必要と考える。
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