本研究では、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて偽落屑症候群における水晶体前嚢PEXの形態学的解析を検討した。偽落屑症候群では水晶体前嚢に好酸性に染色された偽落屑物質と思われる構造物を観察したが、コントロールでは一例も認めなかった。 また水晶体上皮には一部非特異的な嚢胞性の変化を認め、一部水晶体前嚢剥離も認めた。電子顕微鏡では、水晶体表面は粗造で一部に顆粒状の含有物を認めた。またチン小帯繊維と思われる色素顆粒が付着していて、チン小帯繊維から派生したと考えられる単一のミクロフィブリルが、粗い水晶体表面に沈着していた。
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