研究課題/領域番号 |
21K20999
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
馮 国剛 愛知医科大学, 医学部, 助教 (70351111)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
キーワード | RAW264.7細胞 / LPS / TNFα / アドレナリン / β2受容体 |
研究実績の概要 |
マウスのマクロファージであるRAW264.7細胞においてLPSはmRNAとタンパク質のレベルでTNFαの発現を有意に増加させました。特に処理した2時間後にTNFαの増加は最大になった。アドレナリンは濃度依存的にLPSによる誘導されたTNFαの発現増加を抑制した。Rea-time PCRを用いてRAW264.7細胞においてアドレナリン受容体サブタイプの発現を同定したところ、α1a、α2a、α2b、α2c、β1とβ2の発現を認められた。非選択的なβ受容体拮抗薬であるpropranololと選択的なβ2受容体拮抗剤であるICI118.551の前処理は濃度依存的にLPSによる誘導したTNFα発現増加に対するAdの抑制作用を有意にブロックしましたが、非選択的なα受容体拮抗薬であるphentolamineと選択的なβ1受容体拮抗薬であるmetoprololの影響が認めなかった。非選択的なβ受容体作動薬であるisoproterenolと選択的なβ2受容体作動薬であるfenoterolはアドレナリンと同様に、濃度依存的にLPSによる誘導されたTNFαの発現を抑制したことに対して、非選択的なα受容体作動薬であるmetaraminolと選択的なβ1受容体作動薬であるdobuptamineの影響が認められなかった。マクロファージであるRAW264.7細胞においてアドレナリンはβ2受容体の活性化を介してLPSによる誘導された炎症反応を制御することを示唆された。これからはこの作用に関する細胞内のシグナル伝達経路を同定し、その発生機序を解析する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した研究は順調に進んでいる。年内に実験は完成でき、論文を投稿できると思っている。
|
今後の研究の推進方策 |
1.RAW264.7細胞においてLPSによって誘導されたTNFαの発現に対するノルアドレナリンの影響を調べる。 2.RAW264.7細胞においてアドレナリンはβ2受容体の活性化を介してLPSによる誘導された炎症反応を抑制する細胞内のシグナル伝達経路を同定する。特に、MAPKを含む経路について解析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究を遂行するために細胞培養液、抗体、遺伝子導入試薬などの購入や英文論文校正費用などに使う予定である。
|