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2021 年度 実施状況報告書

メカノバイオロジーから迫る血中循環腫瘍細胞クラスターの特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K21019
研究機関熊本大学

研究代表者

前城 学  熊本大学, 病院, 医員 (40906145)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワードCTCs / 転移 / CTCクラスター / メカノトランスダクション / DTCs
研究実績の概要

本研究では、CTC クラスターの形成とその高度転移能を支える分子基盤を力覚応答の観点から解明し、新たな癌の診断・治療戦略を創出することを目指している。これまで、メカノストレスが癌の進展にどのように寄与しているかは不明であった。また、CTCs 自体が稀であるため、CTC クラスターの機能的特性についてはほとんど判っていなかった。申請者の提唱する「力覚応答性に基づく転移過程におけるクローン選択」という新しい概念に対して、その分子基盤の構築を試みる本研究は極めて高い独創性を有する。それ故、研究成果は、転移をはじめとした癌進展のメカニズムの理解に新たな枠組みを提供する可能性がある。さらに、癌細胞の力覚応答を攪乱させて血流の機械的力で CTCs を排除するといった、生理的な力を取り入れた合成致死誘導療法を含む、これまでにない革新的な治療戦略の創出に発展する可能性を持っている。さらに、循環血流という癌種や個人にほとんど依らない力学的環境に着目することで、様々な癌で共通した転移機構の理解や治療法の開発に寄与する可能性がある。申請者は、安定クラスター形成後のアノイキス耐性は、細胞種に依らないことを実証している。興味深いことに、CTC クラスター起源クローンは、静置環境ではなく FSS 下でのみアノイキス耐性を示したことから、細胞間接着マシナリーとメカノストレスの協調が特有のメカノトランスダクションを誘導することでアポトーシス耐性を含む転移向性プログラムを発揮させていると仮説を立てた。申請者はFSS後の各種癌細胞株から回収したクラスター、シングルセルでmRNA-seqを行っており、現在解析中である。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

本研究の先行研究で、FSS 負荷浮遊培養モデルを確立しており、株式会社村田製作所との共同研究を通して、高精度金属フィルターによる細胞クラスターおよびシングルセルの分離回収ができている。この非侵襲的かつ迅速な分離フローは、患者血液検体にも適用可能であると考えているが、現段階では患者血液からの純度の高い癌細胞回収には至っていない。その一方で、本研究はAMED の創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)から支援を受けており(承認番号: BINDS0035)、各種癌細胞株から回収したクラスター、シングルセルを用いてmRNA-seqを行っており、現在解析を行っている。PDX/CDX マウスモデルの作製も進めており、 PDX モデルは既に約 50 ライン所有している。

今後の研究の推進方策

複数の癌細胞株を用いて、安定な細胞間接着をもつ浮遊クラスターに特有の、FSS 依存的遺伝子発現変化を経時的に解析する。それらの解析は細胞培養実験や担癌マウスモデルで行い、HNSCC 患者由来 CTCs や Patients-derived xenograft (PDX)/ CTC-derived xenograft (CDX) マウスモデル、公共データベースを用いて再構成し、治療標的の特定に向けて展開させる。

次年度使用額が生じた理由

今年度と次年度で約1,200,000円ずつで使用予定。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Tumour Suppressor CYLD is Required for Clathrin-mediated Endocytosis of EGFR and Cetuximab-induced Apoptosis in Head and Neck Squamous Cell Carcinoma.2022

    • 著者名/発表者名
      Liu R, Shinriki S, Maeshiro M, Hirayama M, Jono H, Yoshida R, Nakayama H, Matsui H.
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 14(1) ページ: 173

    • DOI

      10.3390/cancers14010173

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Extracellular vesicles derived from radioresistant oral squamous cell carcinoma cells contribute to the acquisition of radioresistance via the miR-503-3p-BAK axis.2021

    • 著者名/発表者名
      Yamana K, Inoue J, Yoshida R, Sakata J, Nakashima H, Arita H, Kawaguchi S, Gohara S, Nagao Y, Takeshita H, Maeshiro M, Liu R, Matsuoka Y, Hirayama M, Kawahara K, Nagata M, Hirosue A, Toya R, Murakami R, Kuwahara Y, Fukumoto M, Nakayama H.
    • 雑誌名

      J. Extracell. Vesicles.

      巻: 10(14) ページ: e12169

    • DOI

      10.1002/jev2.12169

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Colonization of distant organs by tumor cells generating circulating homotypic clusters adaptive to fluid shear stress.2021

    • 著者名/発表者名
      前城学、神力悟、劉隣、仲地ゆたか、菰原義弘、藤原章雄、大坪和明、吉田遼司、岩本和也、中山秀樹、松井啓隆
    • 学会等名
      第80回 日本癌学会学術総会
  • [備考] 悪性腫瘍の転移・再発機構の解明

    • URL

      https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/Mol_Lab_Med/research.html

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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