研究課題/領域番号 |
21K21026
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
遠山 俊之介 鶴見大学, 歯学部, 臨床助手 (10908940)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | Myo-inositol / 構造異性体 |
研究実績の概要 |
骨格性下顎後退症は下顎骨の成長量が不十分である事が要因で引き起こされる場合がある。その場合、下顎骨が後方位にある事から顎関節にかかる負担が大きい為、顎関節疾患のリスク上昇や気道狭窄による呼吸困難、咀嚼機能の低下、転倒などによる上顎前歯の外傷のリスク上昇など数多くの問題が生じる事が言われている。 成人の骨格性下顎後退症に対する治療法は主に外科的矯正治療による顎間関係の改善をはかる治療になるが、成長発育期に対する治療法は成長を制御する治療によって顎間関係の改善をはかる。現在の成長期発育期に対する治療法では機能的矯正装置を用いた下顎骨の前方成長を促す方法が一般的であるが、その治療法では、短期的な効果は認められるものの、長期的な効果については安定しているとは言えない。そこで、成長発育期の矯正治療において機能的矯正装置にかわる新たな予知性の高い新規治療法が望まれている。 Myo-inositol代謝に関与する酵素Pik3cdが下顎頭軟骨に特異的に高発現している事や、myo-inositol補充が下顎頭へ特異的な成長促進に影響を及ぼす事が明らかになっている。補充方法が経口摂取によるものの為、臨床応用に期待ができる方法だと考えられる。 inositolには複数の構造異性体が存在していることから、 inositol構造異性体が特異的な下顎頭への成長促進効果を示す可能性も推察されるが、その検証を行っているものはない。そこでinositol構造異性体間で最も高い成長促進効果を示すものの同定と、その構造異性体が下顎頭への特異的成長促進効果を示すについて検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で試薬及び消耗品の搬入に遅れが生じ、実験が行えない状態となった。また、先行研究の再現実験にてmyo-inositolの至適濃度を決定できたが、inositol構造異性体については反応性が異なる為、至適濃度決定にまでは至っておらず、その設定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
Inositol構造異性体の至適濃度を検証し、細胞分化と増殖に与える影響を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響もあり計画に遅れも生じている事もあり、追加の試薬や試料及び消耗品の購入も含めて研究の継続が必要である為。
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