日本は超高齢化社会を迎えたことで骨粗鬆症などの骨量が低下する疾患の患者数が急増し、これらの疾患を克服することは喫緊の課題であると言える。Wntシグナルは骨量調節に関与することが報告されており、異端Wnt受容体であるRykは骨形成に関与することが示唆されているものの、Rykを介するWntシグナルは、Wntリガンド、受容体、エフェクター因子の多さから、作用機序の全容解明にはほど遠い状況にある。本研究ではRykに作用するWntリガンド及びその下流シグナルを明らかにすることを目的とした結果、RykはWnt4及びWnt10bと結合することで骨形成促進、骨髄脂肪細胞形成抑制を果たしていることが示唆された。
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