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2022 年度 実施状況報告書

包括的遺伝子情報に基づいた新規生分解性Mgデバイスの形状および表面処理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K21031
研究機関東北大学

研究代表者

柳沢 佑太  東北大学, 大学病院, 医員 (40899738)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2024-03-31
キーワード骨代謝 / マグネシウム / 次世代RNAシーケンス
研究実績の概要

【目的】マグネシウムは人体の生命活動を支える生体必須元素で生体内には約25 gが存在し、その50-60%がリン酸塩として骨組織に存在するとされる。マグネシウムは骨の主成分であるカルシウムと同様に周期表の第2族に属する元素で化学的性質も類似している。そのため骨代謝においても類似的あるいは相補的な作用を有する可能性が考えられているが、具体的な作用についてはいまだ不明な点が多い。われわれは予備実験においてウサギ頭蓋内にマグネシウム製ネイルを埋入し、マグネシウムの分解過程を経時的に観察したところ、マグネシウム表面にカルシウムリン酸塩の腐食層が形成される過程を観察した。これらの結果からマグネシウムは初期の骨形成においてカルシウムの代償的な役割を担っている可能性が考えられた。【方法】ラット大腿骨(n=24)に対して、みぎ大腿骨に直径1.5mm、長さ3mmのチタン(Ti)またはマグネシウム(Mg)金属を埋入し、ひだり大腿骨にShamオペを施行しコントロールとした。術後3日、7日後に両大腿骨を採取、液体窒素で即時冷凍保存し、全検体に対して次世代RNAシーケンス(RNA-Seq)による発現変動遺伝子を調査した。遺伝子解析にはDNB-SEQ (MGI社,、MGISEQ-2000RS)を使用し、得られたRNA-Seqデータは総リード数を100万リードで正規化しCount per million値(CPM)を計測した。骨形成(骨芽細胞分化): BMP2、runx2、骨形成抑制:grem1、twsg1、破骨細胞活性:ctsk、Dc-stamp遺伝子を対象に発現遺伝子量を比較した。【結果】術後3、7日のMg埋入群でBMP2, runx2の発現量の上昇が認められ、grem1、twsg1は術後7日Mg埋入群で上昇傾向を示した。Ti埋入群とShamオペ群では遺伝子発現量に明ら差は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

診療業務との並行でエフォートが低下したため。

今後の研究の推進方策

5月までに遺伝子統計を行い発現遺伝子の定量評価を行う。結果を確認後、特定の遺伝子に対してはPCRによる追従実験などを検討する。

次年度使用額が生じた理由

解析業務で使用する学内の施設利用費に使用するため若干の研究費を残している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Biodegradation behaviors of magnesium(Mg)-based alloy nails in autologous bone grafts: In vivo study in rabbit skulls2022

    • 著者名/発表者名
      Yanagisawa Yuta、Shimizu Yoshinaka、Mukai Toshiji、Sano Yuya、Odashima Kenji、Ikeo Naoko、Saito Haruka、Yamauchi Kensuke、Takahashi Tetsu、Kumamoto Hiroyuki
    • 雑誌名

      Journal of Applied Biomaterials & Functional Materials

      巻: 20 ページ: 228080002210952

    • DOI

      10.1177/22808000221095230

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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