本研究では、早期に歯周炎を発症するKindler 症候群の責任遺伝子であるFERMT1に着目し、歯周組織におけるFERMT1の生体的役割を検討することにより、上皮バリアの分子基盤の一端を明らかにすることを目指した。免疫組織化学により、FERMT1はヒト歯肉上皮に発現していたため、FERMT1ノックダウン歯肉上皮細胞を作製し、その形態学的解析を行ったところ、FERMT1が歯肉上皮構造を維持するために重要な役割を果たしていることを見出した。さらに、分子生物学的検討を行ったところ、FERMT1は歯肉上皮構造維持に必須の接着因子と関連して歯肉上皮バリアの恒常性の維持に関与していることが示唆された。
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