過去の研究では,顎関節へのCFA注入後,三叉神経節に存在するTNF-α陽性の咬筋投射ニューロンは増加し,咬筋への機械刺激に対する機械的頭部反射閾値は有意に低下したと報告されている。さらに,私の研究室の報告では,口腔顔面痛モデルラットにおいて,三叉神経節に存在するグリア細胞の活性化,およびサイトカイン遊離の増加が認められた。本研究ではレセルピン注入による機械痛覚過敏の発症およびグリア細胞の活性化の増大の可能性が示されたため,咀嚼筋痛の伝達メカニズムの一端が解明されたと考えられる。これは,今後本研究を進めていく上で必要不可欠な報告であり,その解明が与える意義は大きい。
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