研究課題/領域番号 |
21K21043
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 大翔 九州大学, 大学病院, 医員 (70906338)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | CCL19 / CCR7 / 脂肪組織 |
研究実績の概要 |
歯周病および糖尿病の病態には肥満に伴う全身性の炎症が関与していることが明らかになりつつある。先行研究の結果をふまえて、まず、C-C motif ligand 19(CCL19)とその受容体C-C chemokine receptor type 7(CCR7)のシグナル経路に関与し、肥満によって引き起こされる炎症を調節するマイクロRNAを探索した。野生型のマウスおよびCCL19受容体であるCcr7を欠損したマウスに通常の脂肪量の食餌または高脂肪を含む食餌を8週間負荷し、各マウスから脂肪組織を採取した。 脂肪組織のマイクロアレイ解析の結果、野生型の通常食負荷マウスと比較して、野生型の高脂肪食負荷マウスで発現が低下し、かつ、野生型高脂肪食負荷マウスと比較しCCR7欠損高脂肪食負荷マウスで発現の増大がみられたマイクロRNAの候補が得られた。リアルタイムPCR法で解析したところ、マイクロアレイ解析の結果と同じ傾向を示す結果が得られた。さらに、リポポリサッカライド刺激下でRAW264.7マクロファージと共培養した3T3-L1脂肪細胞では、無刺激群と比較して有意に候補遺伝子の発現が抑制された。 したがって、CCL19-CCR7経路によって制御され、肥満によって引き起こされる脂肪組織での炎症反応に候補遺伝子が関与していることが示された。 今後は、実験的歯周炎を惹起させたマウスを用いた検証を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験に使用するマウスの準備は滞りなく、また解析もおおむね円滑に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
脂肪組織のCCL19が糖尿病における歯周組織炎症に及ぼす影響を検証するため、Ccl19ノックインマウスに高脂肪食を負荷して肥満誘導性に糖尿病を発症させる。この状態で下顎臼歯の絹糸結紮による歯周炎モデルを作製する。野生型マウスも同様の処理を行い対照とする。下顎骨を採取してマイクロCTによる形態学的解析を行う。下顎骨および歯周組織を採取し、組織染色(HE染色、TRAP染色)、tumor necrosis factor α (Tnfα)、interleukin 1β(Il-1β)などの炎症性サイトカインおよびreceptor activator of nuclear factor-kappa B ligand(RANKL)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の発現解析を行い、歯周組織破壊に及ぼす影響を比較する。解剖前にインスリン負荷試験、糖負荷試験を行い、インスリン抵抗性・耐糖能を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延により参加を予定していた学会にオンラインにて参加し、旅費を使用しなかったため。
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