研究課題
歯科治療は、局所麻酔時の針の刺入や処置時の疼痛など、患者が不安や緊張および恐怖心を抱く機会の多い医療行為である。歯科治療に対する不安や恐怖心から治療を受けられない歯科治療恐怖症患者や、自律神経活動の変動に伴い、異常高血圧および血管迷走神経反射などの全身的偶発症を発症する患者もいる。本研究では、歯科治療に対して不安を抱く患者に静脈内鎮静下での安全な歯科治療環境を構築することを目的として、患者の術前不安と鎮静中の自律神経活動変動の関連性を解析する。今年度は、歯科治療へ不安を抱く患者に静脈内鎮静下での安全な歯科治療環境を構築することを目的として、健常群10人および歯科治療恐怖症群7人の静脈内鎮静下抜歯中の自律神経系・循環動態・心理状態の測定を行なった。既往に不整脈のない下顎埋伏智歯抜歯が必要な20-40歳の女性患者を対象とした。デンタルチェア上に仰臥位になってもらい、脳波・心電図リアルタイム解析システムであるMemcalc Makin2(GMS社)を使用し、自律神経系(交感神経活動の指標:LF/HF、副交感神経活動の指標:HF)・循環動態(血圧、心拍数)のパラメータを測定し、収集したデータを解析中である。今後は健常群および歯科治療恐怖症群ともにNを増やし、自律神経系、循環動態、心理状態の生体パラメータを解析し、歯科治療恐怖症患者の術前不安と鎮静中の自律神経変動の関連性について解析をする予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、臨床研究を進めることができているため、本研究は概ね順調に進展していると考えている。
Nを増やし、解析を進めていく予定である。
前年度にすでに購入していた消耗品があり、今年度の研究はそちらを使用して行えたため。今年度より消耗品やその他の機器の購入が必要なため、そちらで使用する予定としている。
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Journal of Oral and Maxillofacial Surgery
巻: Nov;79(11) ページ: 2268.el-2268.e5
10.1016/j.joms.2021. 06. 019