変形性顎関節症(TMJ-OA)は,下顎頭をはじめとする顎関節組織が骨変化や破壊を示す退行性病変である。本研究ではマウス顎関節の関節円板を切除することでTMJ-OAを惹起させ、本症発症時の骨ならびに筋の病態について検索を試みた。TMJ-OAマウスとノーマルマウスの下顎頭の形態を比較すると、TMJ-OA群の下顎頭は肥大した。またその外側に位置する側頭筋は大きく変形した。続いて、下顎頭の肥大の程度と側頭筋の形態変化の相関分析を行った結果、下顎頭の肥大にともない、側頭筋の変形も大きくなることがわかった。本研究により、骨と筋は相互に影響を及ぼしあってその形態を変化させている可能性が示唆された。
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