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2021 年度 実施状況報告書

脱分化脂肪細胞とフィブリンゲル併用によるインプラント体の骨結合の早期獲得法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K21052
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

藤崎 誠一  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (70910272)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワードDFAT細胞 / フィブリンゲル / 細胞骨再生療法 / オッセオインテグレーション
研究実績の概要

【目的】最近、外科的治療に間葉系幹細胞(MSC)を用いた細胞再生療法が臨床的に適用され始めてはいるものの、この細胞の性質上いくつかの問題点をかかえている。さらに、自己の血漿由来の成分を利用したフィブリンゲル(CGFやAFG)を付加的に用いる治療も行われるようになってきている。脱分化脂肪(DFAT)細胞は脂肪由来MSC(ASC)と共にMSCとしての特性を有する細胞であることが知られている。しかしながら、インプラント埋入治療にこのDFAT細胞を使用した細胞骨再生療法が有用であるか全く不明である。そこで、インプラント治療にDFAT細胞を利用した骨再生療法を併用することにより、オッセオインテグレーションの迅速で確実な獲得法の開発することを目的とした。
【方法】移植するラットより血液を採取して、遠心分離よりフィブリンゲルを効率よく作製する方法について模索した。さらに、ラット上顎骨に、インプラント体とDFAT細胞あるいはACSの同時埋入を行う事で、インプラント体周囲のオッセオインテグレーションにどのような効果を及ぼすか検討した。
【結果】まず、ラットの血液よりフィブリンゲルの作成方法に関していくつか試行したところ、血液凝固抑制剤を使用せず、ガラス管のみでフィブリンゲルを効率よく採取する方法が確立できた。また、ラットにスクリュードライバーを使用いることで、脱落頻度が低いインプラント埋入法が確立出来た。さらに、DFAT細胞を併用して埋入したところ、2ヶ月後において、コントロールやASCに比較して炎症性細胞の浸潤が少なく、新生骨の形成がわずかに誘発されたが、骨新生率に有意な増加は認められなかった。今後は、長期に経過観察を行い、より詳細な解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、ラット血液の採取方法とフィブイリンゲルの効率的な採取方法に時間をかけた。さらに、脱落の少ないインプラント埋入法を試行錯誤した。従って、本研究改題の基礎的な実験手法の確立に予定より時間を費やしたため、計画より少しだけ遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、精力的にフィブリンゲルを作成し、随時、インプラント埋入実験を行っていく予定である。さらに、フィブリンゲルのDFAT細胞やASCへの効果を解析するため、in vitroでこれら細胞を培養し、ゲル成分により骨芽細胞分化がどの様に変化する解析することを計画している。

次年度使用額が生じた理由

実験の解析の一部である標本作製を業者に委託したが、その作製に数ヶ月かかり、本年度の支払いが間に合わなかった。さらに、実験材料であるインプラント体も納期に時間がかかるので、購入を次年度に行うよう計画を変更した。これらに関しては、次年度早々に支払いと材料購入を行うよう計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional spheroids of dedifferentiated fat cells enhance bone regeneration.2021

    • 著者名/発表者名
      Yanagi T, Kajiya H*, Fujisaki S, Maeshiba M, Yanagi-S A, Yamamoto-M N, Kakura K, Kido H, Ohno J.
    • 雑誌名

      Regen Ther.

      巻: 18 ページ: 472-479

    • DOI

      10.1016/j.reth.2021.10.004.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脱分化脂肪(DFAT)細胞を利用した下顎骨細胞再生作用2021

    • 著者名/発表者名
      藤﨑誠一, 鍛治屋浩,柳束,後藤加寿子,加倉加恵,岡部幸司,城戸寛史
    • 学会等名
      第39回日本骨代謝学会

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公開日: 2022-12-28  

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