今後の研究の推進方策 |
2022年度は、Hypマウスの骨異常改善を目的とした治療実験に着手する。具体的な計画として、Hypマウスに従来のXLH治療で用いられるリン補充に加え、軟骨内骨化部位での基質分解異常を改善するカテプシンB阻害剤を投与することで、Hypマウスの骨異常が改善するか否かを検索する。リン製剤およびカテプシンB阻害剤を投与したHypマウスの大腿骨をマイクロCT撮影にて観察するとともに、パラフィン切片を作製し、alkaline phosphatase:ALP(、FGF23, MMP-9, endomucin,SIBLING family 蛋白(DMP1, MEPE, osteopontin), osteocalcin等の局在をSTEDやSIMなどの超高解像レーザー顕微鏡にて検索する。また、一部の大腿骨は未脱灰でEpoxy樹脂に包埋し、von Kossa染色(石灰化解析)、ならびに、透過型電子顕微鏡を行い、血管内皮細胞の軟骨基質侵入の微細構造を明らかにする。加えて、血清カルシウム・リン・FGF23・1,25(OH)2D3・PTHの測定や、軟骨・骨領域サンプルの遺伝子発現解析を行う。
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