骨格筋のエネルギー代謝を司るミトコンドリア内膜の分子UCPには炎症や免疫を制御する機能も報告されている。歯周炎は多くの全身疾患との関連性が示唆される慢性炎症である。本研究では身体活動がUCPを介して歯周炎を抑制するとの仮説を検証した。佐渡総合病院外来患者である成人男女で解析した結果、UCP2およびUCP3遺伝子多型は重度歯周炎と関連し、一日平均歩数が少ないことと重度歯周炎の間に関連性が認められた。またUCP2遺伝子多型は女性の死亡率と関連性を示した。歩数と歯数はそれぞれ死亡率に関連していたが、これらの関連性の有無や程度にUCP遺伝型による明らかな違いは認められなかった。
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