研究課題/領域番号 |
21K21064
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
本城 有華 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90912204)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / Netrin-1 |
研究実績の概要 |
まずSDラットを導入後にラットを乗せる台や時間等を考慮しながら1週間かけて環境に馴化させた。その後vonFreyフィラメントを用いてラットのWisker padに刺激を与え、それに対する行動を評価した。 1)眼窩下神経結紮後7,14日にvonFrey フィラメントを用いて行動評価を行い、疼痛閾値の変化を検討した。7,14日目に結紮前と比較して、疼痛閾値は低下しており、サンプル数を増やすことでその差はより顕著になると考えられた。今後、7,14,21日において行動評価を行い、そのサンプル数を増やして解析する。 2)眼窩下神経結紮後14日目に疼痛閾値が低下した個体を灌流固定し、免疫組織学的検討を行った。一次抗体として抗Netrin-1抗体(NB100-1605)、抗NeuN抗体(MAB377)を使用した。三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)および上部頚髄(C1-C2)において、Netrin-1は発現を認めた。Netrin-1は神経結紮群(CCI群)と擬似オペ群(Sham群)とで比較するとCCI群でより発現が増加していた。その発現細胞としては神経細胞にも発現を認めたが、それ以外の細胞にも発現していると考えられ、今後ミクログリアやアストロサイトでの発現を解析するとともに、サンプル数も増やして明らかな差があるかどうかを解析する。 現在得られた結果からはまだ明らかな関与は断言できないが、サンプル数を増やし、解析を進めることでNetrin-1が眼窩下神経結紮による神経障害性疼痛に関与の可能性をを明らかにできるのではないかと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オペ器具の選定、動物の馴化の環境、行動評価の方法について、確立するのに時間を要し、さらに動物モデルが確立してから免疫染色を行ったため、実際に一次抗体が使用できるか検討するのにも時間を要した。さらに、年度途中で出産育児のため研究を中断したため、当初の計画とは遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1)眼窩下神経結紮モデルを作成し、7,14,21日における疼痛閾値の変化をサンプル数を増やして解析する。 2)眼窩下神経結紮後14日目に疼痛閾値が低下した個体について、抗Netrin-1抗体、抗Iba1抗体、抗GFAP抗体を用いて、Nerin-1の発現細胞を明らかにし、またそのNetrin-1発現細胞については細胞数をCCI群とSham群で比較し解析する。 3)眼窩下神経結紮後14日目に疼痛閾値が低下した個体について結紮前と比較し、pERK陽性神経細胞数を計数して、神経活性について検討する。 以上の結果を踏まえ、Netrin-1が神経障害性疼痛モデルである眼窩下神経結紮ラットにおいて疼痛発現に関与するかどうかを考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度途中に産休・育休にはいり、年度末まで休職していたため研究活動も中断していたため、次年度使用額が生じた。 2023年度は育休明けに伴い、中断していた研究を再開するため、実験を行うための物品費に使用する予定である。
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