今後の研究の推進方策 |
歯の発生過程におけるOxytocin receptorの発現様式をin situ hybridization法と免疫染色によって詳細に時系列で解析する。ラットの胎児(週齢数をずらして)から下顎骨を摘出し、固定、脱灰、脱水後、パラフィン包埋を行い、連続切片を作成する。すでに、Oxytocin receptorのin situ hybridization用のRNA プローブ(500bp)があるため、これを用いてin situ hybridizationを行う予定である。 また、当初の予定通り、歯髄培養細胞を用いてCRISPR/CAS9を用いたOxtocin receptorのノックアウトを行い、Oxytocinの象牙芽細胞の分化マーカーであるDspp,Bgp,TypeⅠ collagen,Runx2,Axin2,Lef-1の遺伝子発現を検索し、象牙質形成に及ぼすOxytocin receptorからのシグナル伝達を詳細に解析する。 In vivoの実験として、Oxytocinの修復象牙質形成に対する実際の作用を確認する。すなわちラット臼歯を露髄させた後、Oxytocinを浸透させたコラーゲンスポンジを 窩洞へ入れ、仮封する。1,2,3,4週間後に脱灰切片を作成し、修復象牙質形成を形態学的に観察する。 最終的には、Oxytocinが象牙芽細胞の分化に及ぼす細胞内シグナル伝達の詳細を明らかにし、歯の発生過程においてどのような役割を担っているのか、さらに、修復象牙質形成促進作用を明確に証明する。
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