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2021 年度 実施状況報告書

口腔ピロリ菌は胃がんの原因となるか?磁気ビーズを用いたDNA解析による検索

研究課題

研究課題/領域番号 21K21081
研究機関新潟大学

研究代表者

永田 量子  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40911748)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワードHelicobacter pylori / MLST解析 / DNAシークエンス / 分子系統解析
研究実績の概要

ピロリ菌の口腔から胃への感染機序は十分に解明されていない。本研究の目的は、ピロリ菌が口腔で生きて存在し、将来の胃感染を起こす可能性があるかを検討することである。本研究では、ポリクローナル抗体を結合させた磁気ビーズを用いて口腔サンプルからピロリ菌を分離する手法 の開発に取り組む。さらに、胃と口腔の関連性を解明するために、胃と口腔にピロリ菌の現感染がある患者から試料採取DNAを抽出し、遺伝子解析を行い、相同性を解析する。
現在、Nested PCR法を用いた口腔試料からのピロリ菌DNAの検出及び、口腔試料(唾液、舌苔、デンタルバイオフィルム(上下顎前・臼歯部)からDNAを抽出し、Nested PCR法によりピロリ菌DNAの有無を調査した。ピロリ菌のMLST(Multi locus sequencing typing) 解析に用いる、7種のプライマーを用いてピロリ菌を検出した結果、 プライマーにより検出感度の差はあるものの21人中21人(100%)で口腔ピロリ菌が確認された。
また、胃および口腔ピロリDNAのシーケンス解析を行い(MiSeq, Illumina社製、外注委託)、MEGA (Molecular Evolutionary Genetics Analysis)にて相同性/同一性を検索し近縁関係を分子系統解析にて確認を行なっている。現在までに、分子系統解析にて口腔内および胃から検出されたピロリ菌DNAは東アジアにて検出された菌と近縁であることが解析されてきている。これらのピロリ菌DNAが高い相同性を有することが確認されれば、経口感染を証明するエビデンスを追加できる点で、高い学術的独自性を有する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、Nested PCR法を用いた口腔試料からのピロリ菌DNAの検出及び、口腔試料(唾液、舌苔、デンタルバイオフィルム(上下顎前・臼歯部)からDNAを抽出し、Nested PCR法によりピロリ菌DNAの有無を調査した。検出されたDNAに対してMLST(Multi locus sequencing typing) 解析に用いる、ハウスキーピング遺伝子を対象にした7種のプライマーを用いてピロリ菌を検出した結果、 プライマーにより検出感度の差はあるものの21人中21人で口腔ピロリ菌DNAが確認された。
また、各プライマーにより得られた胃および口腔ピロリDNAの増幅産物をシーケンス解析し(MiSeq, Illumina社製、外注委託)、MEGA (Molecular Evolutionary Genetics Analysis)にて相同性/同一性を検索し近縁関係を分子系統解析にて確認を行なっている。その結果、口腔内および胃から検出されたピロリ菌DNAは東アジアにて検出された菌と近縁であることが解析されてきている。

今後の研究の推進方策

引き続き、各プライマーで得られたDNA増副産物を用いた分子系統解析をMEGA(Molecular Evolutionary Genetics Analysis)を用いて進め、得られた分析結果を論文として投稿する予定である。
また、磁気ビーズを用いた口腔内ピロリ菌検出を確立するために、口腔内にいると推定される濃度のピロリ菌に対して、他の口腔内細菌を混合し、検出の可否を確認する。先行論文により、口腔内に存在するであろうピロリ菌の濃度は確認済みである。

次年度使用額が生じた理由

DNAシーケンス解析を外注する際に、業者の納入時期や費用が大まかにしかわからず、また、解析に外注した時期が年度末に近かったため、経費を少し余裕を持って残さざるを得なかった。
残っている額としては大きくないため、物品費等として使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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