高血糖状態の歯肉上皮細胞における細胞間接着分子の発現低下に伴ってROSの産生亢進を認めた。抗酸化剤であるNACは、同細胞間接着分子の発現低下に対する有意な阻害効果を認めた。さらに、高血糖状態の歯肉上皮細胞において、統合ストレス応答に属する転写因子ATF4の発現低下とERK1/2リン酸化の亢進およびNACによるERK1/2リン酸化の阻害効果が認められた。 以上より、高血糖状態は歯肉上皮細胞において、ERK1/2が活性化することにより、細胞間接着分子の発現低下を引き起こし、そのメカニズムとして、酸化ストレスや統合ストレス応答の関与が示唆された。
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