小児における、睡眠時ブラキシズムと睡眠時呼吸障害の相関や病態生理は不明な点が多い。本申請課題により、健常な小児では、一時的な覚醒や呼吸停止を伴う咬筋活動が生じても、睡眠が分断されにくいことを明らかにした点で学術的に意義がある。また、今後、睡眠時ブラキシズムを有する小児で、睡眠呼吸障害を併発する小児と健常な小児を比較することで、呼吸動態の不安定性が睡眠構築の分断化を増悪させる因子についてさらなる検討が可能となった。睡眠時ブラキシズムが睡眠呼吸障害の病態の増悪を介して、健全な発達が障害されるメカニズムが明らかとなれば、両疾患の治療が発達障害に対するアプローチの一つとなる可能性があると考える。
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