研究課題
研究活動スタート支援
歯根膜細胞をテプレノンにて刺激したところ、血管新生作用のあるangptl4と上皮細胞成長因子ファミリーの一つであるアンフィレグリンの分泌が確認された。さらに、テプレノン単体刺激群と比較してテプレノン+アメロジェニン複合刺激群において、血管新生誘導因子であるIL-8、MCP-1、IL-6の産生が確認され、その分泌亢進によりヒト臍帯静脈内皮細胞の管腔形成が誘導された。つまり、テプレノンとアメロジェニンの複合刺激は歯根膜遊走を強力に促進し、さらに創傷治癒・血管新生を誘導する可能性が示唆された。
歯周病学分野
本研究によりテプレノン・アメロジェニンによる組織再生のメカニズムが証明されることで、安価かつ安全な歯周組織再生薬によって医療福祉政策に大きく貢献する。さらに、血管新生薬や治癒促進剤等として医科領域まで適応範囲を拡げることができれば、医療費の抑制にも繋がる。実際に、アメロジェニンは褥瘡性潰瘍治療薬(Xelma)として既に用いられているが、テプレノンによる増強作用が証明されれば、これにとって代わる難治性潰瘍治療薬となる可能性がある。