本研究では、治療中の安定した統合失調症者と健常者の運転スキルと脳活動を、機能的近赤外線分光法と実車環境に近い運転シミュレーターを用いて比較した。20人の統合失調症者と20人の健常者が、速度の異なるブレーキタスク、カーブ運転タスクを実施した。結果、これらのタスクのパフォーマンスに有意な差は見られなかった。一方、脳活動について、100km走行時の急ブレーキタスクで、左右の前頭前野の脳活動に有意な差が観察された。50kmブレーキタスク、カーブ運転タスクでは有意差は認められなかった。さらに、40名の統合失調症者の脳活動と運転技能の相関を調査したところ、脳活動はブレーキ反応との相関を示していた。
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