研究課題/領域番号 |
21K21104
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
永田 真一 筑波大学, 体育系, 助教 (30905592)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 生きがい / 精神障がい / 地域参加 / ウェルビーイング / 自己決定 |
研究実績の概要 |
本年度は、様々な団体からの協力をあおぎながら、研究対象者を特定し、年度末までに合計26名のインタビューを行うことができた。データ収集時に最終的な研究対象者の属性内訳、例えば男女比、雇用状況、精神疾患種別がバランスよくなるように留意したため、あまり偏りのないデータ収集ができたと思われる。現在ある26名のデータで、データの飽和が感じられてきたので、十分な数のデータが集まっていると思われる。また、完了したインタビューの音声データは書き起こしが終わっている。データの匿名化を施し、安全性を確保した後、質的データ分析を行った。データ分析法については、Braun & Clarke (2021)の、Thematic Analysis(主題分析)という方法を用いた。主な結果として、個人が大事にしていることがはっきりとわかっていること、それに取り組んでいることが生きがいに関係していることが分かった。これらは簡単そうに見えるが、社会的通年により、何が本当に大事なものなのかを見失うこともまれではない。また、精神障がいのスティグマにより、やりたいことがあっても気が引けてしまうということも見られた。生きがいにつながるものは、個人個人違うということ、また、生きがいは他の人に言われてできるものではなく、自分で探し出すものであるということも分かり、これらは介入法を開発する際に基盤となる知見であると考えられる。 本研究の成果を二つの国際学会で発表した。また、Thematic Analysis から生成されたいくつかのテーマをもとに論文を作成し、学術雑誌であるAmerican Journal of Orthopsychiatryに投稿した。論文は現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該課題1年目にコロナ禍によるデータ収集の遅れを、本年で少し取り戻すことはできたが、当年のデータ収集が年度末近くまでかかってしまい十分な研究の発表ができていないこと、そしてデータ分析結果を基にした介入方法の開発がまだできていないため、計画よりもやや遅れていると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
データ分析を継続し、その結果をもとにもう一本の論文の投稿を目指している。また、投稿論文に含めたデータ分析結果を国際学会において発表を考えている。そして、データ分析結果をもとに、介入法を開発する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、対面での国際学会に参加することができず、旅費交通費において大きく余すこととなった。2023年度は研究成果を発表するために海外での対面式国際学会に参加するために使用することを計画している。
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