新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活様式の変化における高齢者外傷の特徴を明らかにすることを目的とした。日本外傷データバンクを用い後ろ向き観察研究を行い、COVID-19前期間、COVID-19禍期間各時期の患者背景、臨床情報、転帰について検討した。 本邦の高齢者ではCOVID-19禍期間中の交通外傷は減少した一方で、転倒転落は増加しており、他国の疫学研究と同様の結果が得られた。コロナ禍による外出制限下では高齢者に対する転倒転落の予防や適切な対応策が重要と示唆される。また、高齢者の外傷重症度は両群に差はなかったが、COVID-19禍期間中のICU在室日数や入院日数は減少していた。
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