研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の大阪ユニットセンターの追加調査として、小学2年学童期検査に参加した母子を対象とし、社会経済的地位(SES:両親の教育歴、世帯収入、母親の雇用、婚姻状況)と母子の血圧値との関連を縦断分析及び横断分析により検討した。縦断分析では、SESと母親の高血圧発症リスク及び子どもの血圧値との間に有意な関連はみられなかったが、さらに横断分析を行ったところ、世帯収入と母親の高血圧有病との間に負の関連が認められた。
社会疫学
日本における社会経済的地位と血圧値との関連に関する先行研究のほとんどは横断研究であり、母子を対象としてその関連を縦断的に検討した研究はみられない。本研究では、縦断分析の結果、SESと母親の高血圧発症リスクとの間には有意な関連が認められなかったが、横断分析の結果、世帯収入と母親の高血圧有病との間には関連が認められ、妊娠時よりも現在のSESが高血圧に影響することが考えられた。