研究課題
整形外科手術後、「移動機能(mobility)」は急激に変化するが、看護師が実臨床の中で簡便かつ定量的に評価する指標が乏しい。本研究では全人工股関節及び膝関節置換術を施行した患者を対象に、簡便で患者負担が少なく、日常生活動作の中で繰り返し測定可能な定量的な新指標、「5m歩行器歩行時間」、「1回立ち座り時間」、「臥位-座位/座位-臥位時間」を開発した。また、その指標を用いて単独歩行器での移動が可能か判断するためのカットオフ値と妥当性を検証した。条件を満たした患者33名を対象に、術前および術後5日間の移動機能を新指標と従来の指標を用いて評価した。単独歩行(移動・移乗の自立の可否)を決めるゴールデンスタンダードには理学療法士によるFIMの詳細な評価を採用した。FIMを従属変数に、従来の指標と新指標を目的変数にロジスティクス回帰分析の結果、これまでに報告されている指標よりも高い感度と特異度を示した。特に、「5m歩行器歩行時間」は感度及びYouden indexにおいて最も有効なモデル適合であった。結論として、これらの新しい指標は、「5m歩行時間」は臨床的に有効で効果的な自立移動性の指標であると確認された。以上の結果を英文誌、Journal of International Nursing Research (JINR)へ投稿し受理され、掲載予定となっている。
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Journal of International Nursing Research
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