研究課題/領域番号 |
21K21144
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
兒玉 善明 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10909708)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 刑事精神鑑定 / 看護管理者 / 困難 / 司法精神看護 |
研究実績の概要 |
本年度は刑事精神鑑定を受け入れる病棟看護管理者の看護管理上の困難に関する半構造的インタビューガイドを作成するために、精神科看護および矯正看護領域での看護管理者の困難に関する国内外の文献検討を行った。文献検討は医中誌webおよびCINAHL、CiNii、 PubMedを用いて行った。得られた文献から精神科訪問看護管理者・地域精神保健看護師を対象とした文献を除外し、和文献6件、英文献2件、国内書籍1冊、海外書籍2冊を分析対象とした。 さらに、国内の病棟看護管理者の困難を対象とするために、看護管理者の役割や能力として日本看護協会の病院看護管理者のマネジメントラダーおよび看護管理者の6つの能力の定義を踏まえ、インタビューガイドの内容を作成した。 インタビューガイドは刑事精神鑑定入院を受け入れることで①病棟方針の策定や他部門との調整・交渉、施設外関係者との連携②スタッフの健康(メンタルヘルスを含む)への配慮③対象者に対する倫理的課題④看護実践・役割に関する事⑤勤務体制や業務配分⑥人材育成⑦危機管理・安全管理⑧保安職への協力依頼等の既存の法・制度の活用⑨看護サービスの提供方式・方法の調整⑧他の入院(精神保健福祉法・医療観察法による入院)とは異なる困難の8項目を含む内容とした。 現時点において刑事精神鑑定を受け入れる病棟看護管理者の困難に焦点をあてた研究は実施されていないために、作成したインタビューガイドの妥当性の検討と洗練化が必要である。今後、所属機関の倫理審査の承認後に刑事責任能力鑑定入院を受け入れる病棟で実際に対象者を受け入れた時期に勤務経験のある副看護師長2名を対象にプレテストを実施し、プレテスト参加者とインタビューガイドの妥当性の検討を行い、インタビューガイドの洗練を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度のインタビューに向け、2021年度中に所属組織での研究倫理審査への申請・承認を受ける予定としていた。COVID-19の拡大状況に合わせた所属施設での業務調整に時間を要したことや文献検討に時間を要したためにインタビューガイドを含めた研究計画書の作成が遅延してしまった。現在、研究倫理審査申請中であり、承認を得てからプレテスト・本調査に取り掛かる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、インタビュー調査に関する学内の研究倫理審査に書類を提出し、審査中である。研究倫理審査の承認後、研究協力施設への依頼を行い、研究参加依頼を行っていく。まずは、プレテストを実施し、インタビューガイドの妥当性の検討を行い、インタビューガイドの洗練化を行う。次に、本調査を実施する。 本研究においては、研究協力施設を国立病院機構および公立の精神科病院を想定している。そのため、研究参加者が4月の人事異動などで他施設へ異動してしまい、依頼を予定する施設では十分に研究参加者が確保できない可能性がある。その際には依頼する施設を増やすとともに、機縁法による参加者の確保方法も追加し実施する。 COVID-19の感染拡大状況に可能な限り左右されないよう、対面に限定せずオンラインでのインタビュー行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
パソコンについて、当初購入予定であっものと同等のスペックで安価なものが購入できたこと、購入予定であった海外書籍で入手できないものがあったことなどから残額が生じた。 次年度は逐語録作成の業者依頼や研究協力施設への旅費、研究協力者への謝礼、書籍購入費として使用予定としている。
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