本研究の経過は,2022年に文献検討を行い,半構造化インタビューガイドを作成した。それを元に,2023年に研究倫理審査を経て,8か所の精神科単科病院に研究協力依頼を行い,4施設より承諾を得た。病院看護管理者に該当する病棟看護管理者へ研究計画書および連絡票の配布を依頼し,病棟看護師長7名から連絡票の返信があった。そのうち6名が研究参加条件を満たし,かつ研究参加の同意が得られた。研究参加者を追加するために機縁法により1名の参加条件を満たす病棟看護師長へ研究参加依頼を行い、同意が得られた。合計7名の研究参加者を対象に半構造的インタビューを実施した。研究参加者との面談日程において,COVID-19による研究参加者の所属する医療施設での感染拡大などにより、インタビューの日程調整が困難であり,大幅に研究計画の遅延が生じていた。 最終年度である本年度においては,COVID-19の5類移行に伴う,看護学実習の対応の変化に伴う調整などの業務が重なり,分析は進めたものの,論文投稿,学会発表には至らなかった。 現在,2024年6月の日本精神保健看護学会で「刑事責任能力鑑定入院を受け入れる病棟看護管理者の看護管理上の困難」として演題(オンデマンド発表)が採択されておりそれを研究成果としたい。 また,2023年度-2027年度科学研究費助成事業(基盤研究C),研究課題名「刑事精神鑑定入院対象者に関わる看護職者の看護実践上の課題と支援に関する研究」(23K09933)の研究代表者として継続して刑事精神鑑定に関わる看護師に関する研究を行っていく。
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