本研究の目的は刑事精神鑑定入院を受け入れる病棟の看護管理者の看護管理上の困難を明らかにすることである。刑事精神鑑定入院を受け入れる病棟の看護管理者(看護師長相当職)の経験を有する者7名に対して,看護管理者としての能力や役割を発揮できずに「困ったこと」「負担感」等について1人1回のインタビューを実施した。分析の結果,【看護師の関わりを保証する根拠や環境の不足】や【看護管理者としての情緒的な動揺】などの5カテゴリ,15サブカテゴリが抽出された。看護役割の明確化や指針の整備だけでなく,看護師への教育プログラムの作成や,看護管理者に対する情緒的支援,病棟看護管理への支援の必要性が示唆された。
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