新たな死後経過時間推定のため1つの指標確立を目的として、胃内容物に着目した。 本研究では、質量分析法を用いて、胃内容物に含まれる食物の消化分解過程で出現するアミノ酸等の一次代謝産物を同定し、それらの経時的な挙動変化を確認することとした。 分析食物としては日本人の主食であり、かつ法医解剖時の胃内容物によく見られる米飯粒を利用することとした。米飯粒と人工胃液を反応させたところ、一部のアミノ酸の発現量等について経時的に変化することが統計学的有意な差として現れた。従って、新たな死後経過時間推定の1つの指標として確立する可能性が示唆された。
|