研究課題/領域番号 |
21K21156
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研究機関 | 北海道立衛生研究所 |
研究代表者 |
日高 正人 北海道立衛生研究所, その他部局等, 研究職員 (10911381)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 外来種 / カエル / 内部寄生虫 |
研究実績の概要 |
北海道における外来種のカエル5種を解剖し、寄生虫の検査に供した。その内訳は、札幌市:ヒキガエル23匹、旭川:ヒキガエル30匹、ツチガエル5匹、室蘭:ヒキガエル22匹、函館:ヒキガエル16匹、北斗:ウシガエル18匹、今金:ツチガエル25匹、岩見沢:トウキョウダルマガエル30匹、木古内:ツチガエル25匹、七飯:ウシガエル9匹、野幌:トノサマガエル2匹、ツチガエル4匹であった。アズマヒキガエルから9種類の寄生虫(Amphibiocapillaria sp.、Cosmocercoides pulcher、Meteterakis japonica、Opisthioglyphe japonicus、Oswaldocruzia insulae、Pseudoacanthocephalus bufonis、Rhabdias incerta、Rhabdias nipponica、及び鉤頭虫シスタカンス)が、ウシガエルから5種類(Cosmocercoides pulcher、Eustrongylides sp.、Glyphelmins quieta 、Haematoloechus lobatus、Haematoloechus sp.)が、ツチガエルから2種(Echinorhynchidae Gen. sp.、及びOpisthioglyphe sp.)が、トノサマガエルから1種(Rhabdias nipponica)がそれぞれ検出された。ヒキガエルから得られた寄生虫は地域差があり、Pseudoacanthocephalus bufonisは札幌・旭川、Opisthioglyphe japonicusは札幌・室蘭、Amphibiocapillaria sp.及びMeteterakis japonicaは函館の検体からそれぞれ得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
去年度はスタート時期の関係から、カエルの検体がほとんど得られなかったが、今年度はカエルの繁殖期に多くの検体を採集できた。また、北海道に生息する外来カエル種もすべて網羅でき、一定以上の寄生虫が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
内部寄生虫相について、各地点ごとに差異がみられた。これは、各地域間の差異なのか、カエルを採集した環境(山間部や都市部)による差異なのか不明である。そのため、今年はそれらの差異を検討できるサンプリングを行う。 また、筋肉を人工消化液で分解し、筋肉内に寄生する人獣共通寄生虫の探索も行っているが、現時点ではどのカエル種からも見つかっていない。 今年度も北海道の外来カエルからはSpirometra 属条虫が得られなかった。そのため、今年度は在来種のカエルも追加し、サンプリング地点ごとに数個体ずつ採集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度にCovid-19の影響によって、出張等に行くことができなかったため、繰越額が大きくなった。 研究期間が1年延長になったため、その分のサンプル採集における旅費等にあてる予定である。
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