研究課題/領域番号 |
21K21159
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 みさ子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (70902071)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | たこつぼ心筋症 / たこつぼ症候群 / バイオフィードバックケア / 心エコー / POCUS / リラクゼーション / ホリスティック / 自律神経 |
研究実績の概要 |
本研究は、全容は未だ未知であるが身体的・感情的なストレスが関わるタコツボ心筋症の方を対象とし、自律神経を介した呼吸法によるリラクゼーションの効果を心エコーで可視化する目的のもとに、研究1から3までの3部構成で成り立っている。令和3年度は、倫理委員会へ申請し認可がおりた令和3年秋に、研究1に掲げたタコツボ心筋症患者が経験した背景と役立ったケアなどを抽出していくために、協力機関での参加者のリクルートを開始した。合計5名ほどの参加者を予定しているなか、協力病院に出向いて2名の参加者へのインタビューとサーベイ調査を実施した。また研究1と平行して、研究2に掲げた看護師による心エコーの観察をリアルタイムに簡便に実施すべく、観察部位および手技の標準化への探索を進行させた。その上で、初級レベルのエコーコースを経たが心エコーには初心者であった看護師である本研究の研究従事者が、研究協力機関である心臓循環器内科および超音波検査室の専門医師にスーパーバイズをいただき、観察部位や手技の確認を行なった。リクルートおよび実践ともに本研究者の所属する大学院の研究機関内で行ない、必須であるエコー機器を導入した上で、令和3年度末までに予定していた合計20名の健常人を対象者として心エコーの画像データーの描出を完了した。現時点でのデータ解析上、一定のファクター(画像描出、実施に要した時間、左室駆出率の算出など)に関して傍胸骨左縁長軸像のアプローチは効率的に実践可能であることがみうけられた。また研究2の結果をふみ、最終課題である研究3に掲げた非侵襲的呼吸法リラクゼーション介入によるタコツボ心筋症のヒーリング効果の可視化を、心エコーにおけるポイントをおさえた観察部位を考察中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力機関の病院内でのCOVID-19の感染症の蔓延防止および対策により、令和4年に入って外来での対面でのインタビューとサーベイ調査を、一時中断せざるを得ない状況に直面した。再開したのちに、希少な症例であったためリクルートに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
簡便化した心エコーを用いたアセスメントの手技と部位の標準化を完成させ、研究論文の執筆の準備を進める。また、インタビューとサーベイ調査を終えてデータの分析を進めるとともに必要に応じ追加の調査も行っていく。最終課題であるバイオフィードバックケアのリクリートを開始し、実践を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、本研究者の所属する大学院と協力研究機関ともに倫理審査が認可された、令和3年度の下半期半ば過ぎに研究の実践が開始となった。さらに次に挙げられる、研究のインフラ整備の調整をとることに時間を要した。必要物品であるエコー機器を導入するにあたって、機種やスペックの選択を協力研究機関先の循環器内科の専門医との相談を通し、当初予定していたポータブルエコー機器は本研究の一部(研究2の看護師による心エコー観察の標準化への探索)での使用が可能であることがわかった。最終課題であるバイオフィードバックケアに用いる心エコー機器は、ポータブルエコー機器には備わっていないスペックが必要であることから、この時点においては、研究2では本研究者の所属する大学院からポータブルエコー機器を借用した。なお、使用計画としては、研究の展望を見据え、当初予定したポータブルエコー機の購入は考慮している。また、COVID-19の感染症の対策により、令和4年に入って外来での対面でのインタビューとサーベイ調査を、一時中断せざるを得ない状況に直面した。再開したのちに、希少な症例であったためリクルートに時間を要し、研究参加者への謝礼の物品や旅費に影響が出た。こちらは当初の使用計画にしたがって推進していき、合わせて、次年度に計画している研究成果の講演・発表および専門学会主催の講習会・学術集会などへの参加に邁進していく次第である。
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