本研究は乳がん術後患者の体幹部の浮腫を定量的に測定する方法を開発することを目指し、その第一段階として、3Dスキャンシステムを用いた背部の腫れの測定方法を開発し、その信頼性の検討を行った。乳房切除術後の方を対象に背部の3D画像を取得し、体幹部の8点における患側と非患側の厚さの差を算出した。信頼性は、検者内、検者間一致を確認し(クラス内相関係数)、測定誤差と真値の間の系統的な偏りの有無を調べる(Bland-Altman分析)ことにより決定した。その結果、体幹中央の5点では、良好な信頼性が示された。3Dスキャニングシステムを用いた本測定方法は、体幹部の測定方法として今後も発展する可能性が示唆された。
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