ヘルス・アドボカシーは、医療者が、社会構造の狭間で生きづらさを抱える人々の声を代弁・擁護して行う、個人への健康対策と健康に関連する社会環境の整備を組み合わせた、社会的な支援活動である。本研究では、ミクロ(対個人)、メゾ(対地域)、マクロ(対社会)の3つのレベルのヘルス・アドボカシーを定義した。①広く一般の医師を対象として行ったアンケート調査では、メゾとマクロのヘルス・アドボカシーの実践の普及が、日本ではまだ十分ではないことを明らかにした。②先駆的実践者の医師達を対象としたインタビュー調査では、日本の地域社会の中でのメゾ的ヘルス・アドボカシー実践における促進要因と阻害要因を明らかにした。
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