2023年11月4日土曜日、第30回 日本航空医療学会総会にて、「遠洋海域に出動した洋上救急100例の症例検討」の研究発表を行いました。東海大学医学部付属八王子病院で出動した100症例について有用性を検討し、洋上救急は医師接触及び治療開始までの時間が短縮できた事がわかりました。また今後の洋上救急の展望として、遠隔医療や船員のウェアラブル医療機器の導入について検討を進めました。洋上救急出動に際しての移動方法や携行医療機器、医薬品について、また船員の疾病や傷病の特徴について多施設と情報共有が出来ました。 2024年3月15日金曜日、第51回日本集中治療医学会学術集会にて、「遠洋海域の洋上救急における重症患者を超長距離搬送する取り組み」について研究報告を行った。洋上救急の搬送事例において集中治療を要する疾患は脳神経系疾患が特に多く、脳神経系は外傷や他の疾患と比較し年齢が高く日本人に多く発生していました。気管挿管や手動での人工呼吸、胸骨圧迫を長時間行いつつ搬送した症例もあり、今後はポータブル人工呼吸器や自動心臓マッサージシステムの携帯が特に有用であると考えられました。限られた出動前の情報で集中治療を施しつつ搬送するには熟練した救急医のと平常時の準備と訓練が必須であると情報共有を行いました。 洋上救急の特に遠洋救急は限られた施設と人材で行われているため、的確な医療を提供する為に協力医療施設間および海上保安庁・海上自衛隊・水難救済会での情報共有が非常に重要であると考えます。
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