本邦の遠洋救急について、自施設の100症例の特徴を明らかにした。遠洋海域における救急患者は脳卒中、外傷、消化器疾患、心疾患・腎泌尿器疾患、呼吸器疾患・皮膚軟部組織・脱水症の順で多かった。患者の99%以上は男性で平均年齢は45.6歳、国籍は少なくとも41.7%以上が外国籍、傷病が発生した船舶の80.6%が漁船だった。死亡例は5例で傷病の発症から医師接触までの時間は平均で26.7時間を要していた。 遠洋救急は事前に患者情報が乏しい状況で遠方に出動する場合が多く限られた医療資源で長時間の任務にあたる。迅速かつ的確な医療を提供すべく平時より症例の共有と出動態勢の整備が重要になると考えた。
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