ICUや病棟で人工呼吸管理を必要とするほとんどの患者で喀痰の産生をともなう。そして、気道や肺への炎症や様々な刺激により喀痰の粘稠度が高まり、喀出が障害されることで、時に気道閉塞による窒息を引き起こす。また喀痰が気道に残留することで、細菌の増殖環境となり、感染や炎症を引き起こす。そのため正確な評価に基づく適切な排痰ケアは必須だが、現状は医療従事者が目視で主観的に評価することが主流となっている。集中治療室看護師への調査を行った結果、喀痰粘度評価は個人差が大きく、教育課程においても喀痰評価の手法に関しては確立されておらず、先行研究も喀痰評価の標準化に関する研究はほとんどないことが分かった。
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