研究実績の概要 |
本研究は、累積的に増加している高次脳機能障害者の家族介護者におけるライフチェンジ適応を促進する支援プログラムを開発し、その有効性を検証することを目的とした。 2021年度の実績として、プログラムの理論的フレームワークの構築、ならびに試案プログラムの開発を行った。具体的には、文献検討から、ストレスコーピングモデル(Haley, 1987)の構成要素(Social Support/Coping/Appraisal)を勘案した理論的フレームワークを構築した。構築された理論的フレームワークを基軸として作成された試案プログラムについて、高次脳機能障害にかかわる機関(家族会)に所属する専門職(キーインフォーマント)および当事者(プライマリーインフォマント)12名を対象としたエキスパートパネルから、プログラム妥当性と実施可能性を検討した。 2022年度の実績として、プログラムの開発ならびに効果検証を行った。具体的には、修正版プログラムを開発した後、全国の高次脳機能障害に関わる家族会82機関の内、家族会構成員数によって層別に無作為抽出された24機関を対象として介入研究(クラスター無作為化比較試験)を実施した。評価は、研究者らが開発したライフチェンジ適応尺度(Shindo & Tadaka, 2020)等により、高次脳機能障害者の家族介護者におけるライフチェンジ適応を促進する支援プログラムの有効性を検証した。成果として、高次脳機能障害者の家族介護者におけるライフチェンジ適応促進への有効性が認められた。 本研究実績は、日本地域看護学会学術集会、The 7th ICCHNR (International Collaboration for Community Health Nursing Research) conference(国際学会)等で公表された。
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