研究課題/領域番号 |
21K21197
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
工藤 理恵 自治医科大学, 看護学部, 助教 (70908102)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 口腔管理 / 看護師教育 / 看護ガイド |
研究実績の概要 |
2021年度は、日本糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師を対象として、看護ガイドの使用による看護師の知識と認識、療養指導の実施度の評価を、無記名自記式質問紙を用いた郵送調査により実施した。 申請者が以前に実施した実態調査の際に、本研究についての説明文書の送付についての同意が得られた全国の対象候補者154名に説明文書を発送した。このうち返送された同意書の書面にて55名の研究参加への意思が確認できた。同意取得後に本研究の適格基準を満たさないことが判明した1名を除く、54名に看護ガイドと質問紙を配布し、看護ガイドを1ヶ月間使用してもらい、23名を最終分析対象として統計解析を実施した。 その結果、70%以上の対象者が看護ガイドの用語は分かりやすく、使用しやすいと評価した。また、すべての人が知識を獲得でき、80%以上が看護ガイドを理解し、重要性の認識と関心をより高めていた。さらに60%以上が口腔内の評価や観察が実施でき、口腔管理の療養指導に活用しながら口腔管理で不足している点を確認できていた。一方、看護ガイドは患者の意識付けにも役立っていた。その他、約8割程度が口腔にかかわる問題解決に役立ったと評価した。しかし臨床での活用には、さらに短時間で使用できる内容に向けた修正が必要であるとの意見を得た。以上より、看護ガイドは、一部について内容を洗練する必要があるものの糖尿病外来で看護師が看護実践につなげるうえで一定の有用性をもつ教育ツールである可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度予定していた質問紙調査について、対象候補者154名として説明文書を発送し、23施設を対象として有用性についての示唆を得ることができた。しかし本研究で得られた知見を看護師全体に一般化するには、より対象者を増やすことを検討する必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
看護ガイドと質問紙調査の結果を資料としてフォーカスグループインタビューを行い、専門的な視点からの意見を求め、看護ガイドの有用性についてより外的妥当性の高い結果を検討する。フォーカスグループインタビューで得られたデータを整理・要約し、それを反映して看護ガイドを洗練化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、調査費用が当初の予定よりも少なかったため残額が生じた。その分は今後の成果発表の費用に充当するほか、これから着手する調査費用に充当する予定である。
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