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熱産生脂肪細胞（褐色脂肪細胞、及び、ベージュ脂肪細胞）は、エネルギー消費量を増加させることで、肥満症や糖尿病の予防、改善に寄与することが知られている。近年では、栄養素の取り込みと消費、及び、Batokineを分泌する内分泌機能など熱産生脂肪細胞の新たな役割が明らかにされている。他方、熱産生脂肪細胞のこれらの機能を介した全身の代謝調節が、摂食行動を制御するメカニズムは未解明である。
本研究では、熱産生脂肪細胞である褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞を介した、摂食調節機構の解明を進める。薬理学的手法、外科的手法および遺伝子工学的手法を用いることで、熱産生脂肪が摂食行動に及ぼす影響を明らかにする。本研究では、熱産生脂肪と摂食調節の関係を明らかにすることにより、肥満症や糖尿病をはじめとする生活習慣病の新たな介入法の開発を目指す。
昨年度は、薬理学的手法および外科的手法を用いて、熱産生脂肪の活性化モデルおよび欠損モデルを作製し、熱産生脂肪細胞が摂食行動に影響を及ぼすことを確認した。そこで、本年度は、特定の栄養素に対する嗜好性の変化を食事選択試験および2瓶選択試験を用いて解析した。また、遺伝子工学的手法を用いることで、熱産生脂肪の欠損モデルを作製した。加えて、本年度は、摂食調節に関わる制御メカニズムの探索に取り組んだ。このために、熱産生脂肪細胞の内分泌機能に着目し、摂食行動に関与する脂肪由来の分泌因子を探索した。
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