研究課題
研究活動スタート支援
本研究では楽観性を高める可能性のある注意バイアス修正トレーニングの臨床応用に向けて,脅威回避型(ネガティブな刺激から注意を逸らす課題)とポジティブ探索型(ポジティブな刺激に注意を向ける課題)のメカニズムの異なる2種の課題を用いることで,楽観性と注意バイアスとの関連性について比較検討することを目的とした.その結果,いずれの課題で測定した注意バイアスも楽観性総得点,楽観性下位尺度,悲観性下位尺度との関連を示さなかった.楽観性には,肯定的情動や反芻,開放性などの性格特性が関連を示した.
作業療法
注意バイアス修正トレーニングが楽観性に与える影響は,否定的な刺激に対する注意バイアスの存在や程度に依存しない可能性を示しており,本研究成果は,楽観性を高めるための注意バイアス修正トレーニングプログラムの発展に寄与するものと考える.今後は視線分析などのより詳細な注意バイアス指標を用いながら縦断的に関連性を検討し,介入プログラムの開発及び効果検証を進めていきたい.