研究課題/領域番号 |
21K21230
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
相川 聖 日本体育大学, 体育学部, 助教 (90911363)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | メンタルトレーニング / 動作分析 / スポーツ心理学 |
研究実績の概要 |
これまでにイメージトレーニングの有効な教示や頻度などは明らかにされているが(Cooley, 2013),有効な身体の姿勢については明らかにされていない。体性感覚の入力はイメージトレーニングの効果を高めることから考えると(水口・彼末,2017),身体の姿勢はアスリートのイメージトレーニングの効果を左右する重要な条件になり得る。本研究の目的は「スポーツにおけるイメージトレーニング実施時の有効な身体の姿勢を明らかにすること」 であり,本年度は調査によってアスリートのイメージトレーニング実施時の身体の姿勢に関する実態を明らかにすることが課題であった。 A大学の体育専攻学生336名(男性139名,女性196名,回答しない1名;平均年齢20.9±0.8歳)に,「イメージトレーニングを実施するタイミング(複数回答)」「イメージトレーニング実施時の身体の姿勢(複数回答)」「イメージトレーニング実施時の体動の有無」について回答させた。その結果,「イメージトレーニングを実施するタイミング」は,練習前が60.7%,練習中が50.9%,練習後が26.8%,試合前が81.5%,試合中が24.1%,試合後が14.9%,その他が14.6%であった。また,「イメージトレーニング実施時の身体の姿勢」は,立位が64.6%,座位が53.9%,仰臥位が33.3%,伏臥位が6.3%,その他が6.0%であった。さらに,「イメージトレーニング実施時の体動の有無」は,体動ありが55.7%,体動なしが44.3%であった。このことから,多くのアスリートは練習前や試合前にイメージトレーニングを実施し,身体の姿勢は立位や座位,仰臥位が多いことが示された。本研究で得られた結果は,次年度に実施する実験の条件設定に役立つものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,本年度は調査によってアスリートおけるイメージトレーニング実施時の身体の姿勢の特徴を明らかにし,次年度の実験における条件設定に役立つ知見を得ることができた。しかしながら,次年度の実験における運動課題の設定や評価基準の設定については検討段階である。また,新型コロナウイルス感染症の影響もあるため,予備実験等は慎重に実施している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,次年度は運動課題のイメージ想起中の身体の姿勢の違いが運動課題遂行時の動作に及ぼす影響を明らかにするため,実験を行う予定である。まずは,運動課題を設定し,予備実験によって模範となる動作の分析を行い,本実験における評価基準を設定する。その後,本実験を実施し,アスリートのイメージトレーニング実施時における有効な身体の姿勢を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により,予備実験の実施が遅れたため,予備実験に必要となる費用に余りが生じた。次年度も継続して予備実験を実施するため,その費用を使用する。
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